
サラサラの髪の毛を目指して美容室では毎回トリートメントをしているけれども、何年続けても髪質は変わらずむしろ髪の毛が絡まりやすくなってしまったりしていませんでしょうか?
なぜ美容師は頻繁にヘアカラーを帰るのにあんなに髪の毛が綺麗なのだろうかと疑問に思ったことはありませんか?
実は美容師の中で、美容院でするようなシステムトリートメントを自分の髪の毛に定期的に使用している美容師を、自分は美容師生活の中で1度も見たことがありません。
実はサラサラの髪の毛をキープするために最も重要なのは、家で行うホームケアなのです。
美容院で行うヘアケアは数ヶ月に1度、多い人でも月に1回程度のものです。
しかし、家で行うホームケアは365日、毎日行うヘアケアになります。
そのため髪の毛を綺麗にするために最も重要なのは、実は美容院で何千円もかけて行うケアよりも、毎日使うシャンプーやトリートメントの方が何倍も重要になるのです。
そこで本記事ではホームケアの重要性と効果的なホームケアの方法についてご紹介していきます。
傷んだ髪の毛は治らないことをまず理解しよう
髪の毛は生えてくるときにすでに死んでいる特殊な性質を持っています。
そのため、一度失われてしまった栄養素は肌などとは異なり、自力で再生することはできず傷んだままの状態になります。
この髪の毛傷んでしまう原因には様々なものがあり、
- ヘアカラー
- パーマ
- シャンプー
- タオルドライなどの摩擦
- 紫外線
- プールの塩素や海水の塩
- アルカリの性質を持ったもの
などがありますが、これらによって一度受けてしまったダメージを髪の毛は自分で修復することができません。
サラサラの綺麗な髪の毛を手に入れるためには、髪の毛にダメージを蓄積させないことも重要なホームケアになるのです。
美容師が教えない美容室でのトリートメントの真実
美容室で、髪の毛が傷んでいるからトリートメントをしましょうと勧められた経験がある方はたくさんいると思います。
その中で少し思い出してもらいたいのですが、その場でサラサラになった髪の毛はどれくらいの期間キープされましたか?
おそらく長くても1〜2週間ほどではないでしょうか?
一度傷んでしまった髪の毛に一時的に栄養素を大量に入れたところでその場しのぎにしかなりません。
その場しのぎにしかならない美容室でのトリートメントに何千円もお金をかけることは非常にもったいないことではないでしょうか。
美容室でも行うトリートメントも家で行うホームケアでも髪の毛に補充する栄養素には大きな違いはありません。
ただ栄養素も擬似的に髪の毛のダメージが起こっている部分を補ってくれているだけになるので、定着してもシャンプーをすると一緒に流出していってしまいます。
つまり、毎日ホームケアで栄養素を補充してあげる方がコストパフォーマンスにも、髪の毛の状態にも良い影響を与えるため、美容室でトリートメントをして家で市販のシャンプーやコンディショナーを使うくらいであれば、ホームケアで良いシャンプーやトリートメントを使用する方が何倍も効果的なケアを行うことができるのです。
ヘアケアに強い美容師と上手な美容師はイコールではない
ヘアケアに強い美容師とカットやカラーがうまい美容師はイコールではありません。
理由は単純で、ヘアケアに関して必要な知識とカットやカラーに必要な知識はジャンルが少し異なってしまうからです。
ヘアケアの場合はどのような場面で髪の毛にダメージが起こり、そこに対してどのような成分で補修を行っていくのかを専門的に学ぶ必要があるのですが、カットの場合は切り方や切り口によって髪の毛がどのような形や動きをするのか、ヘアカラーであれば現在の髪の毛の色に対してどれくらいのリフト力(髪の毛を明るくする力)とどれくらいの濃さの色を入れて理想の色へと近づけるのかといった知識が必要になります。
そのため1つを完璧に理解して、技術を習得するのにも時間がかかる上にスタイリストになってからは新しく別ジャンルの知識を学ぶ機会も少なくなってしまったり、売り上げを上げるための勉強が主になってしまうため、アシスタントの方がリアルタイムでトリートメントの施術を行っているため、ヘアケアに関しては詳しいということが多くなります。
もしヘアケアに関して美容師に相談する場合は毎日何人ものお客さんの髪の毛を洗ったり、トリートメントを行なっているアシスタントに相談した方が良いアドバイスをもらえるかもしれません。
ダメージレベル別、あなたが行うべきホームケア
髪の毛のダメージの進行具合によって必要なホームケアは異なってきます。
ダメージレベルに対して栄養素が多すぎる場合は栄養素が髪の毛に入りきらなかった栄養素が髪の毛の表面に付着してしまいベタベタになってしまったり、ダメージレベルに対してシャンプーやトリートメントの栄養素が不十分であり髪の毛がボロボロのまま何も改善できなかったりということが起こってしまいます。
そこで本記事では、髪の毛のダメージレベル別に行うべきホームケア方法をまとめましたので、自分の髪の毛の状態を見ながら、ここで紹介するホームケア方法を実践していってください。
ほとんど気になる傷みがない場合
髪の毛にこれといった気になるダメージがない場合、その状態をキープすることだけで十分です。
ただし、日々使用するシャンプーもヘアダメージの原因の1つになるため質の悪いシャンプーを使用している場合はそこからダメージが進行していくことがあります。
この髪の毛のダメージになってしまう原因はシャンプーの中に含まれている洗浄成分です。
洗浄成分が強い場合は、髪の毛の中にある水分や油分を蓄える役割をしているCMCが外へと流出してしまう原因になってしまったり、髪の毛の表面にあるキューティクルを傷つけてしまいすぐに絡まってしまうような状態になってしまいます。
市販のシャンプーなど安いものを使用すると、コストの安い強い洗浄成分が採用されていることが多くなるので、高くて栄養素が豊富なものでなくていいので、アミノ酸系の洗浄成分を使用しているシャンプーを使用するようにしてください。
市販のシャンプーを使うと髪の毛が傷んでしまう理由についてはリンク先の記事でも詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。
髪の毛の手触りをよくしたい場合
髪の毛の手触りをよくしたい場合にケアすべきポイントは髪の毛の表面にあるキューティクルをケアしていく必要があります。
通常であればキューティクルは閉じておりその表面にある18-MEAという細かい毛のような部分に皮脂腺から分泌された皮脂が定着することでツヤのある手触りの良い髪の毛になっています。
しかし、油分が不十分であったり18-MEAが失われてしまった髪の毛は表面に油分がなくキューティクルがむき出しの状態になってしまうため、手触りがよくないと感じてしまうようになるのです。
この場合に効果的なのは、家で使用するトリートメントで髪の毛の表面を油分などでコーティングしてあげることです。
18-MEAは1度ヘアカラーをしただけで失われてしまうほど弱く、シャンプーやトリートメントに配合されて擬似的に補うこともできるのですが、やはり簡単に取れてしまうため表面をコーティングしてあげるのが最も理想の髪の毛に近くために効果的です。
よく悪者にされてしまうシリコンや、シルク、椿油など、髪の毛の表面を覆って指通りの良い髪の毛にしてくれる成分が配合されているトリートメントを使用するようにしましょう。
※シリコンについては毛穴に詰まったりすると噂されていますが、あれはノンシリコンシャンプーを作り販売するためのマーケティング戦略であり、シリコンが詰まることはないことが科学的にすでに証明されています。
毛先にパサつきを感じる場合
毛先にパサつきを感じる場合は、髪の毛の内部にあるCMCという水分と油分を保つ成分が外へと流出してしまっています。
そのため、ケア方法もシンプルで擬似的にCMCの役割をしてくれる成分が含まれているシャンプーやトリートメントの使用をすることが重要になります。
また、髪の毛内部のCMCの流出が起こっているということは、キューティクルが傷んでしまったり剥がれてしまっている可能性が非常に高いため、髪の毛の表面をコーティングしてこれ以上の流出を防ぐケアも必要になってきます。
シャンプーは髪の毛内部を補修する効果の高いもの、トリートメントは内部補修はもちろんですが、髪の表面を保護する力の強いものを使用するようにしましょう。
定期的にカラーやパーマを行なっており傷んでしまっている場合
定期的にヘアカラーやパーマを繰り返している場合は、髪の毛のダメージ蓄積レベルがぐんと上がります。
カラーの薬もパーマの薬も、キューティクルをアルカリのパワーで無理やりこじ開けてCMCを破壊しながら進み髪の毛の芯となるコルテックスの流出まで引き起こしてしまいます。
そのため、ヘアカラーやパーマを繰り返しおこなっている髪の毛には総合的なケアが必要になってきます。
まずは、髪の毛内部のコルテックスとCMCを補充することを考えて、コルテックスの原料と同じであるアミノ酸系の洗浄成分を使用しているシャンプーで、かつCMCなどの栄養素を豊富に含んでいるシャンプーを使用するようにしましょう。
そしてトリートメントも内部補修効果が高く、キューティクルのケアがしっかりとできるものを選ぶようにしましょう。
カラーやパーマなどの強いアルカリに触れた髪の毛は、キューティクルが剥がれ落ちているケースも多々あるので、擬似的にキューティクルと同じ役割をしてくれるキトサンが含まれているトリートメントを使用するとより効果的です。
ハイダメージで髪の毛がボロボロになってしまっている場合
髪の毛が濡れるとゴムのように伸びてしまったり、簡単にプツプツと切れ毛が起こってしまうほどのハイダメージの場合は、そのダメージが起こっている部分にケアを行っても意味がありませんので、まだダメージのレベルがマシな部分をケアして髪の毛を伸ばしていくことを最優先に考えなくてはいけません。
すでにハイダメージ毛担ってしまっている髪の毛は普通に生活をしているだけで千切れていきます。
そのため、栄養素が豊富なアミノ酸系シャンプーと、補修成分と表面の保護成分がたっぷりとはいっているトリートメントを使用して、髪の毛に負担を与えるヘアカラーやパーマはしばらく控えるようにしましょう。
もうどうしようもない状態になってしまっているのに美容室でトリートメントを行うのは、非常にもったいないのでやめておきましょう。
※もし、水に濡れてゴムのように伸びてしまう髪の毛を修復するためにトリートメントをするべきだと美容師が勧めてきた場合は利益のみを考えているか、ヘアケアや毛髪科学の知識が乏しい証拠です。
傷んだ部分は切って、まだダメージがマシな部分を保護して伸ばしていくためという理由でなければその美容室でトリートメントをするのはオススメしません。
まとめ
サラサラの髪の毛を手に入れるためには、ホームケアが最も重要になります。
いくら美容院でお金をかけてトリートメントを行なっていても、家では市販の安いシャンプーを使用していては色落ちも早くなりますし、髪の毛の傷みもどんどん進行していってしまいます。
より綺麗な髪の毛を手に入れるために、日々のホームケアにしっかりと力を入れていきましょう。