
美容室にいって自分が使っているシャンプーが市販品だと、やたら美容師からシャンプーを変えることを勧められたことはないですか?
どこにいっても同じことを言われるので、正直うっとうしいなとか、店で売っているシャンプーを買わせたいだけだろうと思っている方も多いのではないでしょうか・・・
私自身は、特に求めていない人に説明するのが正直めんどくさかったため、お客様に聞かれたらその人にオススメのシャンプーを紹介する程度にしていたのですが、本音としてはカラーやパーマをしているのに市販のシャンプーを使用している方は勿体無いことをしているなと思っていました。
そこで本記事では、美容師が何故そこまで市販のシャンプーを敵対視するのか、なんで市販のシャンプーを使っている美容師がほとんどいないのかについて解説していきます。
この記事を読んで、どれほど市販のシャンプーと美容室やネットで売っている高いシャンプーの品質が違うのかを知っていきましょう。
市販のシャンプーの定義
市販のシャンプーとよく言いますが、これは一般的にドラッグストアなどで1000円以下の低価格で売られているシャンプーを指します。
最近ではコンビニなどでもシャンプーが販売されているため、本当にどこでも手に入るようになりました。
様々なメーカーがテレビでたくさんCMを流し、知名度も高いものが多く、さらに綺麗な女優やモデルが出演しているため良いイメージが刷り込まれている方も多いでしょう。
※芸能人のお客様を担当することもありましたが、市販のシャンプーを実際に使っている人なんて1人もいませんでしたけど・・・
市販のシャンプーの特徴
市販のシャンプーの特徴というと、少し調べたことがある人なら洗浄力が強く、頭皮や髪の毛に強い刺激を与えてしまうということをご存知でしょう。
シャンプーのほとんど成分は水と洗浄成分で構成されています。
この中でも洗浄成分が高級なシャンプーと比べるとかなり強めに設定されています。
これは安い価格で販売するために安い洗浄成分を使用せざるを得ないというコスト的な理由と、シャンプー本来の目的である頭皮に付着した皮脂やチリなどの汚れを、どんな雑な人でもしっかりと落とせるようにするためという2つの理由があります。
市販のシャンプーのコスト的な問題点
美容師からみると、市販のシャンプーはどれも一緒のように見えています。
パッケージや香りにはそれぞれのメーカーの特徴がそれぞれ表現されているのですが、成分をベースに見るとどこのメーカーもほとんど似たような成分設計をしており、これといった特徴をそれぞれのシャンプーに見いだすことができません。
この成分がどこのメーカーでも似たようなものになってしまう理由はコストの問題です。
まず市販のシャンプーを販売しているのは誰でも知っているような大企業になります。
大企業は年間にヘアケア用品だけで数百億〜数千億もの売上をあげています。
つまり、安い商品を膨大な数を販売していることになります。
そのためにはテレビCMに何億円もかけて宣伝したり、サンプル品を街中で配ったり、他の自社商品につけておりたり、インターネット上で広告を配信したりとものすごい金額の広告費を投入しています。
また、シャンプーを作るには
- 工場で働く人の給料
- マーケティング戦略を考える人の給料
- 新商品を開発する人の給料
- 店頭へ営業をしに行く人の給料
- 工場の設備費用
- 工場を建てている土地の維持費
など、まだまだありますが非常に多くのお金が必要になります。
そのなかでも利益を残す必要があるために、原材料費はシャンプー1本あたりにほんの数%ほどしか使えません。
また安く抑えつつ、一定の品質をもったシャンプーを作るとなると選択肢が非常に狭くなってしまうため、どこも似たような成分構成になってしまうのです。
中でも洗浄成分は特徴的で、ほとんどのメーカーがラウレス硫酸系の洗車や食器用に使う洗剤と同じ洗浄成分を使用しているところがほとんどになります。
こういったコスト的な問題が存在するため、市販のシャンプーはどれも刺激が強く、髪の毛や頭皮を傷つけてしまう成分構成になっているのです。
市販のシャンプーの仕様上の問題点
市販のシャンプーは誰が使っても同じクオリティーの効果(汚れを落とす効果)を発揮する必要があります。
そのため雑に短時間でささっと洗髪する人出会ってもしっかりと頭皮の汚れを落とせるよう、洗浄力を強く設定する必要があります。
洗浄力を強く設定した副作用として、ヘアカラーがすぐに落ちてしまったり、肌が強くない人であれば頭皮が乾燥して荒れてしまったり、髪の毛が強くない人であればすぐに傷んでしまったりといったことが起こってしまうのです。
肌も髪の毛も強く、ヘアカラーやパーマをしていない人であれば、何も問題なく使用することができるのですが、これらの条件を満たせていない場合は、その通常の状態よりも弱い部分から刺激を受けていってしまい、ボロボロになっていってしまいます。
つまり、普段美容院でカットだけしかしておらず、髪の毛は細くなく、頭皮は普通肌〜脂性肌の性質を持っている人以外には使用をオススメすることができない作りになってしまっているのです。
また、補足になるのですが、海外の企業が作成しているシャンプーは値段の高い安いに関わらず、肌が強くない人や髪の毛が絡まりやすい人は使用するのを控えた方が良いでしょう。
理由は単純で、海外の企業が作っているシャンプーは海外の人の肌の特徴や髪の毛の特徴を理解し、その人たちに向けてシャンプーを作成しています。
日本にも研究所がなければ、日本人の髪の毛や頭皮の特徴を正確に理解してそこに向けてシャンプーをわざわざ作っているのではないため、髪の毛が柔らかくてキューティクルの枚数も少なくて弱い、肌も欧米人と比べて薄いため弱く、乾燥しやすい性質を持っている日本人にとって海外製のシャンプーは強すぎるものがほとんどになります。
ちなみにヘアカラーやパーマの薬も2倍の力が基本になっている国が多いため、それほど日本人の肌と髪が弱いと知っておきましょう。
※ヘアカラーで使う過酸化水素水の濃度が日本では6%、欧米では10〜12%を使用しています。
私は実際にイギリスの12%のものを現地で使用した際に、頭皮から出血が起こり完治するまでに2ヶ月以上かかりました・・・
それほど海外製のシャンプーは日本人には強すぎるのです。
美容室のシャンプーと市販のシャンプーの違い
これほど洗浄成分についてお話ししたので、もうお分かりかもしれませんが、美容室やネットで販売されている高いシャンプーと市販のシャンプーの最大の違いは洗浄成分になります。
高いシャンプーの最大の特徴は洗浄成分に髪の毛の原材料と同じであるアミノ酸を洗浄成分に採用しています。
※値段だけ高くてラウリル硫酸系の洗浄成分を使っている利益をあげることだけに走ってるが、ブランドとして有名で美容師がゴリ押しでお客様に勧めてよく売れているシャンプーもありますが・・・基本的には大丈夫です。
洗浄力が優しい分丁寧にシャンプーをする必要がありますが、ヘアカラーの色もちは良くなりますしダメージでスカスカになっている髪の毛のにアミノ酸を補充することもできるため洗いながらダメージケアを行うことができるのです。
また広告費にも莫大な予算は投下しておらず、価格も市販のシャンプーの少なくても2倍はするため、それだけシャンプーに配合できる成分の幅が広がるのです。
しかし複数の悩みを解決しようとしてしまうと、それぞれの効果が薄まってしまうので何か1つの悩みに特化しているものがオススメです。
オススメのシャンプーに関して紹介している記事がございますので、現在シャンプー難民になってしまっている方はぜひリンク先の記事をご覧ください。
まとめ
今まで紹介してきたことがわかっているため、美容師は自分の髪の毛に対して市販のシャンプーを使用することはまずありません。
職業上、販売価格よりも安く買えるという美容師ならではのメリットもあるのと、ヘアカラーもいろいろ変更するため市販のシャンプーを使用するなんて正直自分は考えられません。
綺麗な髪の毛をキープしたい人やヘアカラーやパーマを長持ちさせたい方はぜひ市販のシャンプーの使用をやめていただきたいです。