
男性の多くの方は皮脂の分泌量が多いことで、顔のベタつきやテカリが気になったことがあるのではないでしょうか?
実はこの皮脂は、男性の見た目の老化や加齢臭など、ほぼ全ての男性に発生する悩みにも密接に関係しています。
そこで本日は、皮脂によって起こる男性の悩みについて解説していきます。
皮脂の分泌量が多いと感じている男性は、ぜひこの記事を参考にして、日々のケアに取り組んでいってください。
皮脂の役割とは

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皮脂は水分と肌表面のバリア機能を作るために分泌されています。
このバリア機能は水分と油分が何層にも重なり合ってラメラ構造を形成することでできています。
外部から雑菌や異物が進入できないように守ったり、反対に肌の内部から水分などが出て行ってしまわない用に守ってくれています。
また、髪の毛にツヤは毛の表面にある18MEAというフックのような場所に皮脂がくっついてくれることで出ているため、色んな場所で人間の身体に役立っているのです。
皮脂が分泌されるメカニズム

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皮脂は毛穴の奥にある皮脂腺で作られ、毛穴から出てきます。
そのため、毛穴のある場所であればどこからでも皮脂は分泌されています。
また、皮脂腺の大きさによって皮脂の分泌量は変わるのですが、遺伝によって1人1人大きさが生まれながらに決まっており、変わることはありません。
男性の場合は、毛穴も皮脂腺も女性と比べて3倍ほど大きいため、より皮脂の分泌量が多くなってしまいます。
皮脂の分泌量が多い場所
全ての毛穴から分泌されているということは、毛穴の多い場所は特に皮脂分泌量が多くなってしまいます。
この毛穴が多く、皮脂の分泌量が特に多いのが、顔と頭になるのです。
顔の中でもTゾーン(おでこから小鼻にかけての部分)は特に皮脂が多く分泌される場所になります。
また、頭皮は髪の毛が多く生えているため、毛穴も皮脂の分泌量も身体の中で最も多い場所になります。
皮脂によって起こる肌の変化

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皮脂によって肌に起こる変化には老化をはじめ、様々なものがあります。
なかでも代表的なものが、
- ニキビ
- 肌荒れ
- 肌の劣化
この3つが挙げられます。
それぞれが皮脂によって引き起こされる理由について解説していきましょう。
皮脂によってニキビが発生する理由
多くの男性を悩ませるニキビですが、一度なったことがある方は、皮脂が原因になっていることは知っている方がほとんどではないでしょうか?
ニキビが発生するメカニズムとしては、
- 角栓が毛穴に詰まる
- 毛穴の中で出口を失った皮脂がたまる
- 皮脂をエサにアクネ菌が大量発生する
- 異常繁殖したアクネ菌が肌を攻撃して炎症が発生する
こういった順番になります。
皮脂は毛穴を詰まらせる角栓とアクネ菌の繁殖に大きく関わっており、角栓は古い角質に皮脂が混ざることでできています。
つまり、皮脂の分泌量が多いほど、ニキビができやすい環境が整っていくのです。
皮脂によって肌荒れ発生する理由
皮脂による肌荒れは、皮脂が酸化して、過酸化脂質に変化してしまうことが原因になります。
皮脂は分泌され、肌の表面に出てから、約5~8時間ほどで酸化してしまいます。
過酸化脂質は古い食用油と同じで、身体にも肌にも悪影響を与える物質になります。
過酸化脂質が肌の表面に残ってしまうことで、肌は1日中強い刺激を受け続けてしまうことになり、炎症が起こって肌荒れが発生するのです。
皮脂によって肌の劣化が発生する理由
肌荒れが起こるのと同じで肌の劣化も過酸化脂質が原因になります。
過酸化脂質には、細胞を破壊するという厄介な力があります。
この力によって、肌の弾力を形成しているコラーゲンやエラスチンが破壊されてしまうとその部分がシワになってしまったり、色素沈着が起こりシミやくすみが発生してしまいます。
これらの肌の変化は、肌の奥にある真皮層にまで到達してしまうため、ターンオーバーやスキンケアで修復することはできません。
そのため、見た目の老化がどんどん進行していってしまうことになるのです。
皮脂によって加齢臭が発生する

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30代以降の男性の多くが悩まされている加齢臭は、皮脂が原因で発生しています。
これは、分泌される皮脂の性質が30~40歳ごろになると変化し、ねっとりとしてしっかりと洗わないと取れなくなってしまうことが原因です。
また、多くの人が耳の後ろから発生していると勘違いしていますが、実は洗いにくく、皮脂腺が多い後頭部から発生しています。
このねっとりとした皮脂が常在菌に分解されることでノネナールという物質が発生し、加齢臭が発生してしまうのです。
自分でできる皮脂対策

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皮脂の分泌量を大きく変えることは難しいため、自分でできる皮脂対策は基本的に古い皮脂をしっかりと洗い落とすことになります。
ただし分泌されてすぐの皮脂は、肌に必要不可欠なものであるため、皮脂が出たらすぐに洗うといったケアは絶対にしないように注意してください。
まず古くなった皮脂落とすためには、6〜8時間ごとに皮脂が酸化して過酸化脂質に変わってしまうことを覚えておく必要があります。
このタイミングで酸化してしまった皮脂だけを落としてあげなくてはいけません。
しかし1日で何度も洗顔料を使ってしまうと皮脂の取りすぎで乾燥肌になってしまったり、乾燥から肌を守ろうとして、より多くの皮脂が分泌されるようになってしまいます。
そこで、過酸化脂質の性質を利用するのです。
分泌された皮脂は脂溶性といって、油に混じる性質を持つのですが、過酸化脂質は水溶性という、水に溶ける性質に変化します。
つまり、水で洗うだけで皮脂を残して、過酸化脂質だけを取り除くことができるのです。
そのため昼ごろと夕方ごろに顔を水洗いしてあげることで、過酸化脂質だけを取り除くことができるのです。
だったら洗顔料は必要ないのでは、と思う人も多いと思いますが、皮脂と混ざってねっとりした汚れや、雑菌、毛穴の奥にある汚れは水だけで洗い流すのは非常に難しいので、1日1回は洗顔料を使用して顔を洗ってあげる必要があります。
たったこれだけの対策で、皮脂による肌や臭いなどのトラブルを防ぐことが可能になります。
加齢臭が発生する後頭部については、こまめに皮脂が雑菌に分解された時点で発生してしまうため、毎日しっかり洗って清潔に保つことで対応するしかありません。
ただ、皮脂は毎日新しく分泌されてしまうので、これらの対策は毎日継続しないと意味がありません。
これらの対策を毎日習慣的にできるようになりましょう。
まとめ
皮脂への正しい対策方法については、理解できましたか?
プライベートでも、ビジネスの場でも、近年清潔感のある見た目は必須になってきています。
皮脂の分泌量が多いと諦めるのではなく、誰にでも対策できることなので、諦めずにケアしていきましょう。